国内生命保険業界2位の日本生命が8位の三井生命を買収。そこで2社の学資保険を比べてみた。

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国内生保業界2位の日本生命が三井生命を、株式公開買い付け(TOB)にて買収するとの報道があり、これにより日本生命は国内1位の保険会社になる見通しです。

この大型保険会社合併には、11年前の2004年に明治生命と安田生命が合併し明治安田生命が誕生したり、東京海上火災と日動火災海上が合併し東京海上日動が誕生したりと揺れ動いた年を思い出します。

報道を読む限りでは三井生命保険のブランドは残し子会社化すると報じられていますが、保険会社同士、当然同じような内容の保険もあるのでそちらは査収されていく可能性はあるでしょう。

そんな中、先日ニッセイ学資保険について調べたばかりなので、この機会に三井生命の学資保険を調べ比較してみることにしました。

三井生命保険の学資保険についてホームページの取り扱い商品一覧を見ると、学資保険の案内がありません。
そもそも学資保険を扱っていないのかな?と思い『三井生命 学資保険』で検索すると、『ドリームフライト for KIDS & BABY』の名称で7月1日より販売開始するというプレスリリースを発見。mitu

では早速内容を読ませてもらうと、なんと(学資保険では)珍しい外貨建て個人年金保険とのこと。
読み進めると、
日本に比べ金利水準が相対的に高い国(米国・豪国)の国債等で運用することで、高い返戻率と効率的な資金準備可能となります。

三井生命資料より一部引用

(表面上は見えないだけで)多くの生命保険商品は何かしらの国債や金融商品を購入運用しているので運用については気になりませんが、この商品の場合は外貨建てということです。

普段私達が契約する生命保険等は、円で支払いをし受取も円でもらいます。
先程書いた通り、私達から支払われる保険料は、保険会社が(海外含め)幾つもの金融商品で運用しながら利益を出し、私達に円で還元される仕組みになっています。
これが俗にいう”円建て”ですが、ここで言う”外貨建て”とは何でしょうか?

外貨建ては原則、「購入時の支払い」「利金・償還金の受取り」ともに外貨で行われます。円で購入、または円で受取る際にはその時々の為替レートで外貨と変換されるため、為替変動の影響(為替リスク)を受けます。

マネックス証券HPより引用

要は、円高円安等その時の為替状況によって支払いも受け取りも金額が変わってくると言うことです。

丁度ここ数日、中国株暴落による急激な為替変動が連日ニュースとなっていますが、この為替変動の影響をもろに受ける商品になります。

例えば、保険料支払い時の為替が1ドル90円で、17年後の満期時1ドル180円だったとすれば(手数料などを考えず)単純に受取保険金は倍になるのでウハウハですよね。

しかし当然その逆もしかりで、直近を例えに6月時点で1ドル125円の時保険料を支払ったのが今日現在で118円になっています。
僅か2ヶ月弱で5.6%も円高になっているので、支払った保険料も5.6%少なくなってしまいます。
100万円の学資保険料を支払った2ヶ月後には56,000円も減って約94万円になっているんです。
返戻率100%超えの学資保険が多い中、仮に年利1%あっても、この為替差益で一瞬で吹き飛んでしまいますよね。

次に、商品説明には、年金受け取り時に指定通貨で受け取る事が出来る(=米ドルなど)と書かれていますが、子供の進学などに対する準備資金を外貨で受け取っても、留学以外殆どの家庭では必要ないでしょう。
そうなると、当然日本円で受け取るわけですが、ここでもまた手数料が引かれていきます。

説明では、TTM(電子売買相場仲値)+0.25円が為替手数料になると書かれています。

TTMとは日本の金融機関が外国為替の取引をする時に基準として公表するレートのことで、毎日9:55の為替レートを参考に決定しています。

これと為替手数料とどう関係があるのか判りにくい方のために、
例えば、海外旅行に行くから100ドル札が欲しい時は今日現在のレートで11,901円で購入が可能です。
これが旅行から戻ってきて使わなかった100ドル札を日本円に戻そうとすると11,851円と750円の差が生じます。

これが為替手数料になりますが、今回のTTM+0.25円と言うのは、今日現在で米ドルだと0.5円の為替差があり、それに0.25円を上乗せした0.75円が手数料となるのです。mi_2

もう少し具体的に、為替レートを1ドル100円として全く変化しないシュミレーションで、300万円をこの学資保険に預けると、返戻時に22,500円手数料で持っていかれる計算になります。

学資保険は返戻率の高さがウリなのに為替手数料だけでこの金額は痛いですよね。

もうここまでで、かなりリスキーな商品というのは分かりましたが、それでも果敢にリスクを取って買おうとするのも選択肢かもしれません。

一方で、ニッセイ学資保険はスタンダートな円建てで、満期時返戻率は(商品によって若干変わりますが)113.8%と年利0.944%の商品です。
満期保険金を小学校入学時から受け取ることが出来るのも大きな特徴の一つです。

結果的に、ニッセイ学資保険と三井生命の学資保険は全くと言っても良いほど異なる路線なので、お客がバッティングするといったことは無さそうですね。

学資保険の目的は人それぞれ異なるとは思いますが、学資保険でここまでリスクを負ってまでリターンを求めるというのであれば投信信託など何か別のリスク金融商品を購入したほうが個人的には良いと感じます。

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