段差なし、フワフワなしの無垢材フローロングをマンションリノベーションで実践した話。
リノベーションの中でも人気のある無垢材フローロングですが、マンションリノベだと構造上の関係から無垢材ではなく、遮音材の上に薄い無垢材を重ねた複合(合板)フローリングを勧められることが殆どではないでしょうか。
我が家は2020年3月にリノベーションを行いましたが、私が絶対に施工したかったリノベーションは床を無垢材にすることでした。
ここでは、私と同じような無垢材フローロングの悩みを抱えている方のご参考になればと思い、我が家が行ったマンションでの無垢フローリングの事例を紹介していきます。
無垢フローリングの背中を押してくれたブログ
目次
施工業者は地元工務店で可能な限りコストを抑えた
始めに、今回中古マンションのリノベーションを行うにあたり、デザイナーがコーディネートしてくれるリノベ会社から街の工務店まで、合計5箇所の会社に見積を依頼しました。
事前に書籍や雑誌で調べていた通り、リノベ会社はデザイン性が高く簡単なイメージを伝えるだけでかなり魅力的な内装デザインを提案してくれる反面、当然価格は(工務店と比べ)高額で、全ての要望を叶えてもらうには1,000万円前後の見積もりとなった会社も。
一方、地元工務店は会社によってリノベ内容も値段もまちまちで、こちらのイメージをしっかり伝えたつもりでも中々意思の統一を図るのが難しい印象がありながら、その分、価格はリノベ会社の2/3から1/2と価格ボリュームが抑えられている見積書の内容でした。
デザイン性か値段かを天秤に掛け色々と家族会議を行った結果、デザインよりも値段を取ることにし、中古マンションのリノベーションは地元工務店に依頼することにしました。
そのため、今回は地元工務店に依頼したケースとして読んで頂けると幸いです。
とりあえず金額と施工事例をを比較してみるのが便利
下調べはKindleUnlimitedに登録して雑誌を読み漁るのがオススメ
複合フローリングではなく無垢材フローロングを貼るために工務店に交渉
今回見積もりを依頼した5社とも全て最初に提案されるのは、遮音性重視の複合(合板)フローリングでしたが、冒頭の通り私は無垢材フローロングをどうしても譲れなかったのです。
マンションである以上、遮音性の条件をクリアしつつ、出来るだけ安価な方法で無垢材フローロングに出来ないものか模索した結果、工務店に交渉し、工務店が用意したフローリング材ではなく、施主(私)が持ち込むフローリング材(施主支給)という形で、自分好みの無垢材フローロングでリノベーションを依頼することが出来ました。
無垢材選定で参考にしたブログ
マンションは遮音性が重要
マンションはそれぞれ管理組合の規約により床の遮音等級を定められているところが殆どです。
【参照】日本複合・防音床材工業会HP
一般的な規約で多いのはL40かL45等級あたりになり、我が家もL45が規定で定めれていました。
遮音材が下地に貼られている複合フローリングであればL45に対応されている商品も多く販売されていますが、無垢材フローロングの場合だと、下地に遮音材を敷かなくてはなりません。
マンションに無垢フローリングを貼る方法は大きく分けて、一度床を剥がしてから遮音材に合板下地を重ね、その上に無垢フローロングを貼る方法と、既存のフローリングの上に重ね貼りする方法の2種類があります。
どちらも遮音性はクリアすることが出来ますが、1つ目の方法は、重ね貼りする回数が多いためどうしても床の厚みが生じてしまいます。
また、施工する回数が多いため工賃が高くなりがちです。
重ね張りは、今ある床材の上に無垢フローリングを載せるので同じように床の厚みが出てしまいます。
また、遮音材の質によっては、床が沈むような感触(フワフワ感)を感じる仕上がりになってしまいます。
我が家では、この両方のデメリットを解消すべく遮音材についても施主支給という形で施工してもらうことに。
段差もフワフワも施主支給の遮音材で解消、そのメリットデメリットは
無垢フローリングを家全体に貼るのであれば、全ての部屋が底上げされるため段差は気にならないわけでもありませんが、我が家はトイレやキッチンの水廻りを無垢材にする勇気が無かったのと、クッションフロア(CF)やカーペットに比べ当然無垢材はコストが数倍高くなってしまうため、どうしてもリビング以外はクッションフロアなど別素材にせざるを得ない状態でした。
一般的な施工方法だと結構な段差になることも
段差の具体的な高さとして、一度床を剥がす場合、遮音材が10mm~15mm+下地合板が12mm前後+無垢フローリングが12mm~15mmの厚みのものが多いため、合計すると34mm以上になってしまうことも。
更に、場合によっては根田と言われる下地を支える角材を入れるとゆうに60mmを超える高さになってしまい、一度剥がすことで元々の床から20mm下がったとしても再度重ね張りをすることで40mm近い段差が生じてしまいます。
上に重ねて貼る方法でも、無垢フローリングの15mm分は底上げされてしまうので、どちらも隣接する部屋や廊下との段差は避けられない状態です。
遮音性の代償としてフワフワ感はやむを得ないのか
また、遮音材は音を吸収する機能を重視するため、どうしてもクッション材の柔らかさが生じてしまいます。
マンションなどの集合住宅でフワフワする床は、この遮音材によって感じる特徴ですが、せっかくの無垢フローリングであれば、出来る限りこのフワフワを無くしたい。
そのこだわりから、色々とサンプルやショールームに足を運び、施工する工務店とも交渉し、可能な限り厚みが無く硬さのある遮音材を施主支給という形で対応してもらうことにしました。
施主支給したのは「わんぱく応援マット 」と言われる商品で、床を剥いだ後のコンクリート床に直接敷き詰め、その上に無垢フローリングを貼り付ける事が可能な遮音材です。(メーカーHPより)
わんぱく応援マット自体は厚みが11mmなので、既存床を剥いだ後に遮音材と無垢フローリングを敷いても26mm程度と、元々ある床材を剥いだ後に敷けばほぼ厚みは生じない形になります。
また、一般的な遮音材よりもフワフワ感が少なく、沈み込みをほとんど感じる事がなかった為、施工後の感触でも硬い下地に敷いた無垢フローリングとほとんど変わらない印象でした。
ちなみに、リノベーション前のクッションフロアはこのような床でしたが
リノベーション後はこのように仕上がりました。
この遮音材を採用することにより、他の部屋との段差もフワフワ感も解消され良い事づくしのように感じますが、実際に施工してから(厳密には施工前に業者からリスク説明もあった)感じたデメリットもあります。
無垢フローリング施工時に釘が効かないとこうなる
今回施工した方法は『既存床剥がし→わんぱく応援マット→無垢フローリング』の順で重ね張りをしていったわけですが、、本来であればここに「捨て張り」と言われる床の構造をしっかりと支える地合板をは挟める必要があります。
そして、この下地合板の上に無垢フローリングを接着剤とフロア材用の釘を打ち付け固定します。
わんぱく応援マット公式HPでは、フローロングを敷くだけと表記されていますが、工務店からは、いくら遮音材が固くても床材が暴れる(伸び縮み)するリスクがある旨を説明されました。
下地合板を敷くことで、強度は増しますが、床の高さと1工程増えることで作業コストも掛かってしまうため、まぁ多少の隙間は許容範囲と考え、下地合板を挟まずに施工を依頼することに。
その後、リノベーションが完了し1ヶ月が経過しようとしていますが、当初説明を受けたリスクの通り、フローリング間によって2mm程度の隙間が生じてしまっています。
しかしこの隙間については、我が家であまり問題視していないのですが、それよりも床の鳴りが気になっています。
具体的に、格式あるお寺の床を歩いたような床鳴りが暖房器具の温風が当たっているスペースに時々生じています。
おそらく、暖房により無垢材が一気に乾燥してしまい、反りが生じたのではと推測されますがよる夜の静かな時などは結構気になってしまうレベルで音が鳴っています。
廊下や暖房器具から遠い箇所は鳴らないので本当に一部だけなのですが、下地合板を敷いてしっかりと釘打ちしておけばこういった事にはならなかったでしょう。
もし、同じような施工を検討している方は、必ずしもとは言いませんがこのあたりのリスクを考慮した上で施工することを留意しておくことが良いでしょう。
無垢材は施主支給にすることで自分がこだわった木の材質を使用できる
デメリットもある無垢フローリングでしたが、私的には木の種類や材質、色味にも主観でこだわった事もあり、見た目的には満足の行く結果となりました。
実際、施主支給であれば、(工務店に確認の上)どの無垢フローリングを使用しても良い為、私はかなりの数無垢材のサンプルを取り寄せ、質感や色味などを検討しています。
幅広・広葉樹・(非ウレタン系)自然塗装・色味などで絞り込み、最終的には地元札幌市の床材販売会社シーゲル さんの、幅は15mm・ナラ材・ルビオモノコートオイルという自然塗装を使用したナチュラルカラーな仕上がりの無垢フローリングを採用しました。
自然素材の塗装は(メラニン素材等に比べ)やや汚れ等の耐久性に欠けるものの、子どものアレルギーなどを考慮するとVOCフリーと言われる自然塗装は安心感がありますよね。
施主支給での無垢材フローロング、施工費含めた気になる費用は?
さて、今回は遮音材と無垢フローリング両方を施主支給という珍しい形での施工となった為、掛かった費用もそれなりになってしまいました。
工務店が用意する材工ではなく施主支給の為、工務店側の旨味(利益)は人工(にんく)費だけになってしまうので施工賃は若干割増です。
計算すると、手間賃が約6,500円+遮音材が約6,500円+無垢フローリングが12,000円(全て1㎡あたり)で合計25,000円/㎡ となりました。
これが高いか安いかは、依頼する業者によっても異なるため一概には言えませんが、材質や販売会社を比較し無垢材の種類を変えれば2万円以下での施工も可能でした。
無垢材の材質はそれぞれ一長一短があるので、金額だけで良し悪しは決められないため、施工する前にサンプルを取り寄せるなどして慎重に選ぶことをオススメします。
子供がいてもすぐに拭く習慣をつければ過度に心配しなくても良さそう
最後に、無垢フローリングはメンテンナンスが大変という話をよく聞きますが、実際に住んでみて今の所それほど大変さは感じてはいません。
小学生の子供がいるので、床に水や食事をこぼしたりしたらどうしよう!?という不安も抱えていましたが「汚れたらすぐ拭き取る」を徹底するだけであまり過敏にならなくても大丈夫な気がします。
1年に1回くらいはメンテンナンス剤を使って手入れしてみようと思っていますが、それもまた愛でる楽しみとして考えれば手間ではなく、むしろ楽しみな部分でもあります。
本記事を読んで頂いた方で、無垢フローリングにするか悩んでいる方に、私は無垢フローリングにすることを絶対にオススメしたいです。
色々大変な部分もあるかもしれませんが、それを差し引いても無垢フローリングならではの「木のぬくもりと部屋全体の柔らかな空気感」を自宅に帰った時に感じることができる幸せは、これから長い付き合いとなる住居にとって大きな価値になっていると実感しています。
COMMENTS & TRACKBACKS
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無垢材フローリング気持ちよさそうですね!
写真からも伝わる木の質感。
これからの季節は裸足でも楽しめますね😊
エリサさん。
最近ブログコメントって無かったので凄く新鮮で嬉しいです!!
無垢材の質感たまらなくて、たまに床に頬ずりしています(笑)